疫学
尿路結石は再発し得る疾患であり、既往、家族歴、尿路の形態、代謝性の背景を確認する。尿管結石では閉塞の程度と感染の併存が重要である。
一般事項
- 側腹部痛の経過、発熱、尿所見、腎機能を確認する。血尿の有無だけで結石の診断を決めない。
- 超音波で拡張や結石を評価し、必要に応じて単純CTで位置・大きさと閉塞を確認する。発熱を伴う閉塞や単腎では、通常の疝痛と区別して評価する。
身体所見・検査の診断精度
感度・特異度は%。括弧内は95%信頼区間である。行の所見名を押すと、対象患者と出典を確認できる。
原著で確認できた検査・所見を掲載している。身体所見や他の検査を網羅した表ではない。対象集団と陽性条件は各行の詳細に示す。
| 所見・検査 | 感度 | 特異度 | LR+ | LR− |
|---|---|---|---|---|
低線量単純CT:尿管結石原著研究 [1]研究の種類:原著研究 診断対象:症候性尿管結石 対象患者:米国単施設で尿路結石を疑い、通常線量と体格調整した低線量CTの両方を受けた201人である。通常線量CTで102人に尿管結石を認めた。 陽性の定義:腎盂尿管移行部から尿管膀胱移行部までの結石を低線量CTで認める。 小結石は見逃され得る。これは低線量CTの値である。 1施設・1機種の結果である。本文・抄録に一部数値の表記差があるため、主評価項目のTable 4の値を採用した。 比較基準:通常線量CTの読影報告であり、低線量CTの読影者には伏せられていた。 確認箇所:Table 4:Any ureteral stone、All(通常線量CTとの比較)(2026-09-25) | 90.2(82.3–95) | 99(93.7–99.9) | 90.2 * | 0.1 * |
—:未記載または計算不能 約:原著の丸められた割合からの概算 *:感度・特異度からの概算。赤はLR+ ≥ 5、青はLR− ≤ 0.2を示す。
表の読み方・注意点
対象集団や閾値は行ごとに異なる。数値を患者個人の診断確率として使ったり、複数の所見の尤度比を無条件に掛け合わせたりしない。感度100%やLR− 0も、その所見だけで安全に除外できることを保証しない。
概算はLR+=感度÷(1−特異度)、LR−=(1−感度)÷特異度で求める(割合に換算)。論文が別に統合した尤度比とは一致しない場合があり、概算値の信頼区間は表示していない。
画像
2 枚典型所見
単純CTで尿管の走行を追い、高吸収の結石の位置と最大径を確認する。上流の尿管拡張や水腎症、腎周囲の変化も併せて読む。尿管付近の石灰化は静脈石などとの区別が必要であり、多断面像で尿管との連続性を確認する。

単純CTの横断像である。赤矢印が右近位尿管の高吸収結石を示し、腎周囲・尿管周囲に脂肪織濃度上昇を認める。
Anchal Singh; Sachin Khanduri; Nazia Khan; Poonam Yadav; Mushahid Husain; Ahmad Umar Khan; Mazhar Khan; Shreshtha Jain · CC BY 4.0
出典と原画像 · 商用利用可 / 改変可
変更:なし · 確認日 2026-09-25
帰属表記・確認記録
Singh et al., Cureus 12(5):e8002 (2020), Figure 3. DOI: 10.7759/cureus.8002. CC BY 4.0. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7279691/ https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ 図の改変なし。原図の赤矢印を保持。日本語説明は当サイトが作成。
画像説明と利用条件の資料照合・目視確認済み。医療上の承認や診断性能を意味しない。

排泄性尿路造影15分像。左尿管遠位の石灰化結石を示す。現行の単純CTの代替ではなく別モダリティの例。
SCiardullo · CC BY-SA 3.0
出典と原画像 · 商用利用可 / 改変可(継承条件あり)
変更:なし · 確認日 2026-09-24
帰属表記・確認記録
Lito Ureter 15min.jpg — SCiardullo, Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0. Source: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Lito_Ureter_15min.jpg. License: https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0. Changes: none.
画像説明と利用条件の資料照合・目視確認済み。医療上の承認や診断性能を意味しない。
読影のポイントを詳しく読む
結石と閉塞を分けて評価する
結石そのものの位置・大きさと、上流の拡張をそれぞれ記載する。超音波で尿管全長が見えない場合には、描出されないことと結石がないことを区別する。
根拠:EAU Guidelines on Urolithiasis — Guidelines / Role of Dual-Energy Computed Tomography in Characterization of Ureteric Calculi and Urinary Obstruction
排泄性尿路造影の位置付け
掲載画像は造影剤投与後の排泄性尿路造影で、左遠位尿管の石灰化結石を示す。現在の単純CTと同じ検査ではなく、尿路と結石の位置関係を学ぶ別モダリティの例である。
鑑別疾患
所見が似ている疾患や、見分ける際に確認したい正常変異を調べられる。
参考文献
- EAU Guidelines on Urolithiasis — Guidelines ↗
結石の背景、尿・血液検査、超音波と単純CTの位置付け、感染を伴う閉塞の評価。閲覧日現在の章を参照。
- Role of Dual-Energy Computed Tomography in Characterization of Ureteric Calculi and Urinary Obstruction ↗
Figure 3の右近位尿管結石・周囲脂肪織変化と撮像法を照合。数値の診断精度表には使用していない。
- Moore et al. Accuracy of Reduced-Dose Computed Tomography for Ureteral Stones in Emergency Department Patients. Ann Emerg Med. 2015. ↗
PMID 25441242 · 診断基準または診断精度を原典の本文・表で確認した。