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CTCTでは左下腹部の結腸に憩室と壁肥厚を認め、周囲脂肪織の濃度が上昇している。大腸憩室炎の基本所見を示す。
疫学
憩室のある大腸に生じる炎症である。欧米ではS状結腸を含む左側病変が多いが、右側病変もあり、腹痛部位だけで除外しない。
一般事項
- 局所の腹痛・圧痛、発熱、炎症反応と画像を合わせて評価する。右側病変では虫垂炎などとの鑑別が必要となる。
- CTでは炎症の有無に加え、膿瘍や穿孔などの合併症を確認する。強い壁肥厚がある場合は、炎症だけで説明できるかも検討する。
身体所見・検査の診断精度
感度・特異度は%。括弧内は論文で報告された95%信頼区間であり、記載のない行もある。行の所見名を押すと、対象患者と出典を確認できる。
原著で確認できた検査・所見を掲載している。身体所見や他の検査を網羅した表ではない。対象集団と陽性条件は各行の詳細に示す。
画像検査
| 所見・検査 | 感度 | 特異度 | LR+ | LR− |
|---|---|---|---|---|
超音波:急性大腸憩室炎原著研究 [1]研究の種類:原著研究 診断対象:急性大腸憩室炎 対象患者:非外傷性急性腹痛の成人救急患者1,021人を対象とした多施設前向き研究であり、憩室炎は118人であった。 陽性の定義:超音波で憩室炎と診断した場合である。 この研究は憩室炎の診断を評価しており、穿孔・膿瘍など個々の合併症の精度を示すものではない。 比較基準にも画像が含まれる。検査機器・読影経験や対象患者の違いがあり、現在の全施設共通の精度とは限らない。 比較基準:6か月の経過、臨床情報、画像などを基に専門家パネルが決定した最終診断である。 確認箇所:Table 2、Methods(Reference standard)(2026-09-25) | 61(52–70) | 99(99–100) | 61 * | 0.39 * |
造影CT:急性大腸憩室炎原著研究 [2]研究の種類:原著研究 診断対象:急性大腸憩室炎 対象患者:非外傷性急性腹痛の成人救急患者1,021人を対象とした多施設前向き研究であり、憩室炎は118人であった。 陽性の定義:造影CTで憩室炎と診断した場合である。 この研究は憩室炎の診断を評価しており、穿孔・膿瘍など個々の合併症の精度を示すものではない。 比較基準にも画像が含まれる。検査機器・読影経験や対象患者の違いがあり、現在の全施設共通の精度とは限らない。 比較基準:6か月の経過、臨床情報、画像などを基に専門家パネルが決定した最終診断である。 確認箇所:Table 2、Methods(Reference standard)(2026-09-25) | 81(74–88) | 99(98–99) | 81 * | 0.19 * |
—:未記載または計算不能 約:原著の丸められた割合からの概算 *:感度・特異度からの概算。赤はLR+ ≥ 5、青はLR− ≤ 0.2を示す。
表の読み方・注意点
対象集団や閾値は行ごとに異なる。数値を患者個人の診断確率として使ったり、複数の所見の尤度比を無条件に掛け合わせたりしない。感度100%やLR− 0も、その所見だけで安全に除外できることを保証しない。
概算はLR+=感度÷(1−特異度)、LR−=(1−感度)÷特異度で求める(割合に換算)。論文が別に統合した尤度比とは一致しない場合があり、概算値の信頼区間は表示していない。
画像
1 枚典型所見
憩室を中心とする局所的な結腸壁肥厚と周囲脂肪織濃度上昇が基本となる。病変の腸管区間と炎症の範囲を確認し、腸管外ガス、液体貯留、膿瘍の有無を別に記載する。憩室が存在するだけでは憩室炎とはいえず、周囲の炎症と対応させる。

CTでは左下腹部の結腸に憩室と壁肥厚を認め、周囲脂肪織の濃度が上昇している。大腸憩室炎の基本所見を示す。
James Heilman, MD · CC BY-SA 3.0
出典と原画像 · 商用利用可 / 改変可(継承条件あり)
変更:なし · 確認日 2026-09-24
帰属表記・確認記録
Diverticulitis.png — James Heilman, MD, Wikimedia Commons, CC BY-SA 3.0. Source: https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Diverticulitis.png. License: https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0. Changes: none.
画像説明と利用条件の資料照合・目視確認済み。医療上の承認や診断性能を意味しない。
読影のポイントを詳しく読む
炎症の中心を確認する
掲載CTでは左下腹部の結腸に憩室、壁肥厚、周囲脂肪織の炎症性変化が見られる。憩室と炎症の位置が一致しているかを確認し、隣接する別臓器の炎症と区別する。
腸管外の変化を確認する
局所の炎症と、膿瘍・腸管外ガスなどを伴う病態を区別する。掲載画像は基本所見の例であり、合併症すべてを示す画像ではない。
検索される言葉
鑑別疾患
所見が似ている疾患や、見分ける際に確認したい正常変異を調べられる。
参考文献
- 2020 update of the WSES guidelines for the management of acute colonic diverticulitis in the emergency setting ↗
PMID 32381121 · 左右の分布、診察・検査とCTの統合、壁肥厚・脂肪織炎症・膿瘍・腸管外ガスの評価。
- van Randen et al. A comparison of the Accuracy of Ultrasound and Computed Tomography in common diagnoses causing acute abdominal pain. Eur Radiol. 2011. ↗
PMID 21365197 · 診断基準または診断精度を原典の本文・表で確認した。