疫学
喘息のある成人で症状・呼吸機能が悪化する病態であり、初回の受診で喘息が疑われる場合もある。
一般事項
- 発語、呼吸仕事量、意識と酸素化を評価する。
- 喘鳴が目立たないことを軽症の根拠にしない。
症状・身体所見・検査
治療・初期対応
成人喘息増悪の初期対応である。
| 状況 | 対応 | 再評価・注意点 |
|---|---|---|
| 発作の初期 | 重症度を評価しながらSABAを吸入し、低酸素血症には酸素を調節する。重症例では抗コリン薬の吸入を併用する。 | 意識低下、呼吸音の著明な減弱、疲弊は危険徴候であり、集中治療へつなぐ。 |
| 軽症を除く増悪 | 全身性ステロイドを早期に開始する。経口投与可能な成人ではプレドニゾロン40–50 mg/日を5–7日が目安である。 | 吸入後の呼吸数、酸素化、会話、気流制限を再評価する。改善不十分なら入院・上位治療を検討する。 |
| 帰宅を検討する | 症状の改善だけでなく、吸入手技と再増悪時の対応を確認し、吸入ステロイドを含む継続治療を整える。 | 短時間作用性薬だけの継続にしない。アミノフィリンやアドレナリンを通常の発作治療として一律に加えない。 |
更新:2026-09-25
診察・検査で確認する点
呼気性喘鳴、呼気延長、補助呼吸筋の使用を確認する。気流が著しく低下すると呼吸音が弱くなる。PEFは測定可能な場合に用い、全身状態と治療反応を合わせて解釈する。
画像の役割
胸部X線を全例で行う必要はない。気胸・肺炎など別の病態を疑う場合に画像を選ぶ。
クリニカルパール
| 確認するポイント | 臨床での読み方 |
|---|---|
| 喘鳴の音量は重症度そのものではない | 弱い呼吸音と呼吸困難の悪化が同時にある場合は、重い気流制限を考える。 |
鑑別疾患
| 鑑別 | 見分ける際の要点 |
|---|---|
| アナフィラキシー | 曝露直後の気道・循環症状や皮膚粘膜症状を確認する。 |
| 気胸 | 急な悪化や左右差があれば別の病態を調べる。 |
所見が似ている疾患や、見分ける際に確認したい正常変異を調べられる。
参考文献
- GINA 2026 Summary Guide for Asthma Management and Prevention ↗
成人増悪の評価節(pp.34–35):発語・呼吸・SpO2・PEF、silent chest、鑑別。図表は転載していない。