Whippleの三徴:成人低血糖症の原因精査
成人。特に糖尿病治療薬を使用していない患者の原因精査。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 症状 | 低血糖に合う症状・徴候を認める。 |
| 血糖 | 症状時に低い血漿血糖が確認される。 |
| 改善 | 血糖の上昇に伴って症状・徴候が改善する。 |
判定:三徴を確認して原因精査の妥当性を判断する。
糖尿病治療中の低血糖対応を、三徴の確認まで待つという意味ではない。
基準の出典・確認箇所
Recommendation 1.1(確認日:2026-09-25)
糖尿病治療中に生じるほか、薬剤、栄養状態、臓器障害などの背景でも起こる。
成人。特に糖尿病治療薬を使用していない患者の原因精査。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 症状 | 低血糖に合う症状・徴候を認める。 |
| 血糖 | 症状時に低い血漿血糖が確認される。 |
| 改善 | 血糖の上昇に伴って症状・徴候が改善する。 |
判定:三徴を確認して原因精査の妥当性を判断する。
糖尿病治療中の低血糖対応を、三徴の確認まで待つという意味ではない。
Recommendation 1.1(確認日:2026-09-25)
成人の医療者向け初期対応である。投与例は主に成人糖尿病の低血糖ガイドラインに基づく。採用製剤と施設手順を確認し、非糖尿病患者では原因評価も並行する。小児用量は含めない。
| 状況 | 対応 | 再評価・注意点 |
|---|---|---|
| 意識が清明で安全に嚥下できる | ブドウ糖15 gを経口投与する。介助を要する重症低血糖でも嚥下可能なら20 gが投与例となる。 | 15分後に血糖を再測定し、70 mg/dL未満なら追加補正する。意識障害・嚥下困難がある患者には無理に飲ませない。 |
| 経口摂取が安全でない/意識障害がある | 気道・呼吸・循環を評価して静脈路を確保する。静注例は10%ブドウ糖200 mLまたは20%ブドウ糖100 mLを15分かけて投与する(いずれも糖20 g)。 | 50%製剤を用いる場合、Diabetes Canadaの投与例は20〜50 mL(糖10〜25 g)を1〜3分である。濃度ごとの方法は代替であり重ねて投与しない。血管外漏出に注意し、心・腎不全では投与容量も検討する。 |
| 静脈路がすぐに確保できない | 経口投与ができない場合はグルカゴン1 mg筋注を選択肢とし、静脈路確保を進める。 | 低栄養、長時間の絶食、肝障害や飲酒などでは効果が弱いことがある。 |
| 補正後の再評価 | 静注後は10分、経口後は15分を目安に血糖と症状を再評価する。低血糖が続けば再補正する。 | JBDSの静注後の再補正閾値は4.0 mmol/L未満(約72 mg/dL)である。30分まで初回の確認を待たず、低値が持続・反復する場合は治療経路と原因を見直す。 |
| 回復後・再発予防 | 安全に食べられる状態に戻ったら食事・補食を行う。経口摂取不能や反復例ではブドウ糖持続静注を検討し、測定値に応じて調整する。 | SU薬・長時間作用型インスリンでは再発に注意し、補正後も血糖を追う。特定の維持輸液を一律に投与する方式にはしない。 |
| アルコール関連の低栄養・B₁欠乏リスクがある | チアミンを併用する。ASAMのアルコール離脱患者における予防投与例は100 mg静注または筋注/日を3〜5日である。 | 糖投与を待たせない。チアミンは糖と同時または前後いずれでもよい。これは全低血糖患者への一律投与量や、Wernicke脳症の治療量ではない。 |
| 低血糖が持続・再発する/感染を疑う | 薬剤、腎・肝機能、栄養状態などを見直す。感染徴候や循環不全があり敗血症を疑う場合は血液培養などを行う。 | 血液培養は低血糖の補正に反応しないという理由だけで一律に採取するものではない。感染評価のために緊急の糖補正を遅らせない。 |
更新:2026-09-25
発汗、振戦、動悸などの自律神経症状と、意識変化、けいれんなどの神経症状を確認する。反復する低血糖では自覚症状が乏しい場合もある。
低血糖の確認に画像は不要である。血糖が改善しても神経症状が残る場合は別の病態を評価する。
| 確認するポイント | 臨床での読み方 |
|---|---|
| 三徴がそろうまで対応を待たない | Whippleの三徴は原因精査の判断に役立つが、急性低血糖への対応を遅らせる条件ではない。 |
| 鑑別 | 見分ける際の要点 |
|---|---|
| 急性期脳梗塞 | 血糖改善後も局所神経徴候が続けば再評価する。 |
| 副腎クリーゼ | 低血圧やステロイド歴も確認する。 |
所見が似ている疾患や、見分ける際に確認したい正常変異を調べられる。