疾患一覧 / 代謝・内分泌

低ナトリウム血症

Hyponatremia

疫学

水とNaの関係の異常であり、薬剤、臓器障害、内分泌疾患など原因は多様である。

出典

Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia ↗

一般事項

症状・身体所見・検査

項目確認すること・解釈出典
病歴
経過と薬剤
過去のNa、飲水、食事、利尿薬などを確認する。文献 ↗
身体所見
神経症状と体液量
意識変化・けいれんと、脱水や浮腫を評価する。文献 ↗
検査
血清浸透圧・血糖
高血糖などに伴う非低張性の低Naを分ける。文献 ↗
検査
尿と内分泌
尿浸透圧・尿Naを血液と同時期に採取し、副腎・甲状腺などを評価する。文献 ↗

診断基準

SIADの必須条件(2014年欧州ガイドライン)

成人。記載した条件の対象に適用する。

項目確認する内容
低張性有効血清浸透圧275 mOsm/kg未満。
尿の希釈低張性にもかかわらず尿浸透圧100 mOsm/kg超。
体液量・尿Na臨床的に正常体液量で、通常の塩分・水分摂取下の尿Naが30 mmol/L超。
除外条件副腎・甲状腺・下垂体・腎の機能不全がなく、最近の利尿薬使用がない。

判定:必須条件をすべて確認し、他の原因を除外する。

低Na全体の診断基準ではない。利尿薬使用中などではこの条件をそのまま当てはめない。

基準の出典・確認箇所

Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia ↗

Table 6: essential criteria for SIAD(確認日:2026-09-25)

治療・初期対応

低張性低Na血症を想定した成人の初期対応である。症状と発症速度で緊急性を判断する。

状況対応再評価・注意点
けいれん・昏睡など重症症状監視下で3%食塩水150 mLを20分で投与する方法を用い、症状とNaを再評価して追加を判断する。専門科へ早期に相談する。初期に約5 mmol/L上昇または症状が改善すれば急速な補正を止める。数値を正常まで一気に戻さない。
過補正を防ぐNaと尿量を頻回に測定し、初日10 mmol/L、以後24時間ごと8 mmol/Lを超える上昇を避ける。低栄養、アルコール多飲、低K血症などではさらに保守的に管理する。急な利尿・過補正は直ちに専門科と是正する。
重症症状がない原因薬剤、体液量、血糖、尿所見を確認して原因別に治療する。低Naという理由だけで生理食塩水を一律に投与しない。

更新:2026-09-25

診察・検査で確認する点

低張性であれば、同時期の尿浸透圧・尿Naと体液量を合わせて考える。利尿薬や腎機能低下は尿所見の解釈に影響する。SIADとする前に副腎不全などを除外する。

画像の役割

低Naそのものを確定する画像検査はない。中枢神経疾患など原因や併存疾患を疑う場合に選択する。

クリニカルパール

確認するポイント臨床での読み方
SIADは除外を伴う診断である

尿Naが高いという一項目だけでは診断できない。

根拠文献

Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia ↗

鑑別疾患

鑑別見分ける際の要点
副腎クリーゼ

疾患ページへ →

副腎不全は低Naの原因になる。

根拠文献

Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia ↗

急性心不全・肺水腫

疾患ページへ →

体液過剰を伴う病態を検討する。

根拠文献

Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia ↗

所見が似ている疾患や、見分ける際に確認したい正常変異を調べられる。

参考文献
  1. Clinical practice guideline on diagnosis and treatment of hyponatraemia ↗

    2014年ガイドライン:低張性の確認、同時採取の尿検査、Table 6のSIAD必須条件。