疫学
血便を来す原因には憩室出血、腸炎、直腸病変など複数の病態がある。
一般事項
- 循環状態と出血の持続を評価し、腹痛や服薬歴を確認する。
- 症状だけで出血源を決めない。
症状・身体所見・検査
治療・初期対応
成人の急性下部消化管出血に対する初期対応である。
| 状況 | 対応 | 再評価・注意点 |
|---|---|---|
| 持続出血がある | 静脈路を確保し、血算・凝固・交差適合検査と循環蘇生を進める。消化器科へ早期に相談する。 | 大量血便でも上部消化管出血の可能性を残す。 |
| 重症・循環不安定 | CTAによる出血源の同定を検討し、内視鏡・IVR・外科の止血方針を連携して決める。 | 循環不安定な患者へ腸管前処置を優先しない。輸血や抗血栓薬への対応は持続出血と血栓リスクを踏まえる。 |
更新:2026-09-25
診察・検査で確認する点
無痛性の血便でも病因は一つではない。血算・循環の経過と、内視鏡やCTAによる局在評価を組み合わせる。
画像の役割
出血の活動性や循環状態に応じてCTA・内視鏡を選択する。画像では造影剤の管腔内漏出などを評価する。
クリニカルパール
| 確認するポイント | 臨床での読み方 |
|---|---|
| 無痛性だけで憩室出血と決めない | 日本の大規模研究でも無痛性の血便は複数の病因に認められた。 |
鑑別疾患
| 鑑別 | 見分ける際の要点 |
|---|---|
| 上部消化管出血 | 血便でも上部由来の可能性を検討する。 |
| 虚血性腸炎 | 腹痛と血便の経過、腸管所見を確認する。 |
所見が似ている疾患や、見分ける際に確認したい正常変異を調べられる。
参考文献
- Management of Patients With Acute Lower Gastrointestinal Bleeding: An Updated ACG Guideline (2023) ↗
要旨:下部消化管出血の検査選択とCTA・内視鏡。
- The Role of Imaging for GI Bleeding: ACG and SAR Consensus Recommendations ↗
2024年声明:多相CT、管腔内漏出、出血源同定の限界。
- Identifying Bleeding Etiologies by Endoscopy Affected Outcomes in 10,342 Cases With Hematochezia: CODE BLUE-J Study ↗
日本の血便患者の原著研究。症状だけで出血源を決められないこと、複数の出血病因。